ちょうどこの時期になると父を思い出します。もう10年前に他界してしまいましたが。
「のびる」をご存知でしょうか。田んぼのあぜ道に長くにらのように伸びているのが、のびるで
下には真珠のような球根が根を張っています。その球根に生味噌をつけて口に入れると『春、春がきたんだよー」と体から嬉しくなってきます。父はこれを採ってきては、きれいに洗って持ってきてくれたのです。特別に食べなくとも季節は通おり過ぎていくけれども父のこののびるは季節の変わり目の通過点のような気がして、届くことが無くなってからは、長靴をはいて毎年採りに出かけます。ゆでて酢みそで食べても、細かく刻んで薬味にしても美味しくあの独特の風味はまさに大地からの春のプレゼントです。そして頑張れよ!と言っている父からの私への1年に1度のプレゼントなのです。